建築系の本や雑誌を多く見かけますが、実際どれを読んだらいいんだろう?、難しい本が多くて読みにくい!なんて思うことはあるかもしれません。
しかし、中には比較的読みやすく、分かりやすい本も数多くあります。
今回は学生時代に多くの本を読んだ私が選ぶ、初心者でも読みやすい&建築学生におすすめの本を10冊ご紹介します。
【建築学生】本|初心者におすすめ10選
建築学生にぜひ読んでいただきたいおすすめの本を、10冊ピックアップしました。
前半の6冊はデザイン系、実務系など様々なジャンルがあります。
間取りの方程式(著:飯塚豊)
建築の基本といえば”住宅”だと個人的には思いますが、そんな基本が丁寧に書かれている一冊。
心地良い住まいを作るための間取りの”方程式”(=アイデア)が満載です。
・一見難しそうなキーワードも身近なものを用いた説明で分かりやすい
・各室の関係性からサッシの寸法まで間取りの全部が一冊に盛り込んである
これから建築を学びたい人も、現在建築関係の仕事をしている方も楽しみながら読める一冊です。
建築デザインの解剖図鑑(著:スタジオワーク)
普段から当たり前のように見かけるものに注目して、これでもかと解剖して解説している一冊。
地形/まちなみ/建築探訪/細部の4ジャンルで構成されており、
・なぜ/どうしてその形になったのか?(歴史)
・現在は昔からどう変化したのか?(変遷)
・身体を使った実測法
などが分かります。
例えば、タバコ屋のショーケース。
ショーケースはよく見るものの、デザインがどうなっているかを気にする方は少ないと思います。
そんなタバコ屋のショーケースをデザインの観点から注目して詳しく紹介されています。
他にも、
・縁日の屋台
・銭湯
・駄菓子屋
など、日常的な建物のデザインが読み解けるかなり面白い本です。
光の建築を読み解く(編:日本建築学会)
建築と光の関係性に注目して、実際の建築物にある美しさや現象を解説した一冊。
光と一言で言っても、
・「意匠」として見る光
・「環境工学」として見る光
は全然違います。
この両面を切り口に光の表情の作りや、建築物にもたらす効果が解説されているので、これまでとは違った見方で建築物を理解できるようになります。
設計する際に机上で考えていた計画も、光の影響を考えられるようになればより多角的に、より立体的な検討ができるようになります。
扱っている言葉や図解はやや難しいですが、読み込むほど実践的な知識として身に付く本です。
ページ数は約100ページで手軽な本なので、スキマ時間に読む本としてもおすすめ◯
空間デザイン辞典(編:日本建築学会)
設計をする方はぜひ必需品にしてほしいレベルでおすすめの一冊。
・その建築物や空間にはどんなデザイン手法が用いられているか
・そのデザイン手法によりもたらされる効果
など建築・空間のデザインのアイデアが広がります。
世界中の建築物を例にして解説しているので、それまで知らなかった建築物に出会えるのもおすすめする理由の一つです。
ページのほとんどが写真になっているので、読みやすく分かりやすい最高の本かも。
卒業設計で考えたこと。そしていま(著:五十嵐太郎)
卒業設計を既に終えた方は、卒業設計中にどんなことを考えていましたか?
この本では、有名な建築家が学生時代にどんなことを考えながら卒業設計に臨んだかが分かります。
当時の考え方が現在の仕事にどう繋がっているか?も紹介されていて、建築家を目指す方にとっては一度は読んでおきたい一冊です。
・今自分が考えていることは正しいのか?
・卒業設計においてこの考え方は有意義なものなのか?
など不安を抱えている方は、一度読んでみると勇気やヒントがもらえるかもしれません。
建築基準法関係法令集
建築学生にも建築系の会社に勤めている社会人にも必要な法令集。
読むというタイプの本では全くありませんが、笑
実は読むと楽しい一冊なのでピックアップしました。
「建築物」の定義から始まり、建物や地域ごとに定められた基準法や建築士に関する法令が詳しく書かれています。
・法規の観点から建築物探訪を楽しめるようになる
・建築士試験の”建築法規”で苦労しない
・当たり前のように使っている言葉(建築、設備など…)の定義が分かる
「なるほど!」がたくさん経験できる、面白い一冊です。
【建築系雑誌】おすすめ
本屋さんには建築系雑誌がたくさん並んでいますが、その中から4つをピックアップしました。
▼建築系雑誌
新建築
日本を代表する建築雑誌。
建築物の写真のほか、図面(平面図・立面図・矩計図など)や設計・施工業者などが超詳細に書かれており、建築物が丸裸になっている雑誌です。
設計担当者の意図やコンセプトもインタビュー式に書かれているので、設計のアイデアが欲しい…なんて時にまず開いてほしい一冊。
・なんでこの敷地に建ってるの?
・ここではどんな人が活動しているの?
・設備は何が使われているの?
と言った疑問が全て解決できます。
月刊誌なので、毎月新たな建築物に出会えます。
有名な某建築家は「穴が開くまで読んだ」と言うほど。建築家になるための必読本です。
建築知識
建築知識はこれまでご紹介した本・雑誌の中で最も実務寄りな雑誌です。
しかし、難しいポイントがイラストで分かりやすく紹介してあるということで、建築業界に関係ない人からも注目され、たびたびSNSで話題になっているのを見かけます。
扱う内容は幅広く、最近の発売号だと
・世界一美しい小さな飲食店の作り方
・最高に楽しい間取り
・世界一やさしいカフェの作り方
・猫のためのDIY家づくり
・建築構造BLキャラクター図鑑
引用元:建築知識のバックナンバー | 雑誌/定期購読の予約はFujisan
などの特集が組まれていますが、どれも興味をそそる内容になっています。
建築系雑誌でありながら、誰もが楽しめる本というのはなかなか珍しいです。
ちょっと興味がある方は、最新号からチェックしてみてはいかがでしょうか。
商店建築
建築の中でも、商店に注目する雑誌です。
新建築のように写真や図面、コンセプトなどが詳細に書かれているので設計する方だけでなく、これからお店を始めたい・自分のお店を自分でデザインしたい人にもピッタリ。
お店のデザインはその時代の流行りを取り入れるケースが多いので、現在の主流が分かるのもこの本の魅力。
完成段階の建物ではなく実際に使っている様子が写真で分かるので、インテリアや空間、配置の参考にもなる一冊です。
casa BRUTUS
建築関係なく、誰もが楽しめる一冊です。
この雑誌は見やすくデザインが素敵で、プレゼンボードの参考になるのでピックアップしました。
- 誰かの部屋を覗いてみよう!
- あのおしゃれな人はどんな生活をしているのかな?
- 今のカルチャーを詳しく知りたい!
など、日用品やインテリア、アート、音楽などの様々なカルチャーを特集しています。
雑誌そのものがシンプルでおしゃれなので、プレゼンボードの参考になるかも。
「どんな配色・配置にすると見やすくなる?」そんな時にアイデアがもらえる一冊。
まとめ:本からアイデアが生まれる。
本から得られる効果は様々あり、リラックス効果や想像力の向上があります。
長い長い設計でストレスが溜まったりアイデアが一切浮かばなくなったり、ボロボロになることもある建築学生。
そんな時はお気に入りの一冊を手にとってページをめくってみてください。
リラックスした自分から、思いがけないアイデアが生まれるかもしれません。
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